ようやく完成した私の自作ペパクラ第3弾アンドロメダ、振り返ってみます。
■スタイリング
スマートでありながら力強く。
スマートさの表現として、船体は流れるような伸びやかなラインを。

力強さの表現として、アンドロメダの特徴であるツイン拡散波動砲発射口と幅広いブリッジは大きく。
モデリングのポリシーは、とにかくメリハリをつけることです。太い所は太く、細い所は細く、広い所は広く、狭い所は狭く、出っ張る所は出っ張らせ、引っ込める所は引っ込める、斜めの所はぐっと斜めに。かといって如何にもデフォルメされていますよ~ではなく、全体として見たときにそのメリハリがあくまで自然である様に。
長く伸びた艦首、ぽっかり開いた波動砲、幅広く太く短い艦橋、巨大なメインノズル、長い砲身などがそれです。アンドロメダはその2大特徴さえしっかりつかめば、誰が見てもアンドロメダに見えるのがいいところ。これが宇宙戦艦ヤマトだったらそうはいかないでしょう。

個人的に形状にはかなりコダワった艦橋部分。メリハリは効いているでしょうか。モデリングでのツメが甘い状態でペパクラの試作に入ってしまったので、船体全体のスタイリングにはまだまだな部分もあります。3Dモデリングも、コアファイター、コスモタイガーIIに続いてこれが3作目ですので、経験を積んで勉強していきます。
■サイズ
とにかくデカく作ろうと思いました。曲面や細かい部分の表現などといったペパクラの弱点も、デッカく作ればあまり問題ではなくなってきます。最初は1m超、1/200くらいで作ればインパクトあるかなぁと思ったのですが、A4の紙で表現できるサイズとしては1/350が限界かなと。それでも全長79cmで、プラモやガレージキットにはなかなか真似できないサイズだろう~と思っていましたら、バンダイさんから1/350ヤマト発売のリリースが。うーむ。
そしてこのデカブツの強度と完成品の形状の精度を保つための、船体内部の骨格構造も重要です。いろいろと試したあげく、ポーランド製の艦船ペパクラの様な構造に結局落ち着きました。強度にも精度にも問題ありませんが、とにかく設計も工作も面倒です。なにか他にいい方法ないかなぁとは思いますが、ポーランド製がこの構造でやっている、ということにもそれなりの理由があるからでしょうから、違う構造を見つけ出すのもなかなか難しいでしょうね。
メカニカルコレクション、コスモフリート・コレクションとの比較。それぞれ、1/350, 1/2000, 1/3333です。こうして見ると、デカい!
■展開図作成
当初はペパクラデザイナーだけで展開図を作成していましたが、KMCさんに倣って途中からCADを導入することによって作業は随分楽になりました。紙の厚さの影響の調整やのりしろの位置やサイズの変更、それから簡単なパーツの設計まで、今までメタセコとペパクラデザイナーを往復してやっていたことをCADの世界だけでできるようになったのですから。Jw_cadは無償で手に入る上、市販の解説本も豊富なので、ペパクラの展開図編集にこれを使わない手はないですよ。
そうしてできたこのアンドロメダですが、展開図としてはまだまだです。特に船体の閉じた構造を工作する上で強引に接着しなければならないところがあり、工作が難しい上に見た目も汚くなるという状態です。もし将来このアンドロメダを何らかの方法で公開することがあるならば、そこをクリアする必要があるでしょう。
この1年4ヶ月の間、展開図を設計する上でのノウハウも少しずつ増えてきましたが、自分だけでの発想では限界がスグに来ますので、人様の設計されたペパクラを沢山工作してみる、というのも経験としてはもっともっと必要かなと思っております。
主砲の砲身可動部分の内部構造も頑張って作りました。砲身の角度を任意の位置で固定できるようにと苦労しましたが、お陰で工作するのが嫌なほど複雑な展開図に。シンプルな展開図は今後の課題です。
■カラーリング
塗装にはIllustratorを使用しました。Inkscapeに比べての利点は、動作の軽快さと、市販解説本の多さ。私はマニュアル人間で、使ってよりは読んで覚えるので、ドキュメントが豊富でないフリーソフトなどではなかなかツライのです。それからIllustrator最大の利点は、ライブペイント機能。まさにペパクラ展開図への色塗りのためにあると言っても過言ではないでしょう。高い買い物ではありますが、買って損なしです。
全長275mの巨大な戦艦のスケール感をどう表現するのかも今回の課題でした。プラモとは異なり、難しい塗装技術がなくとも、PC上で色さえ塗っておけば後は工作するだけ、というのはペパクラの利点でもあるわけです。裏を返せば、展開図レベルでの塗装がとても重要なわけで。
アニメのメカや模型には、スケール感はメカニカル感を表現するためにモールドが描かれているわけです。当然このアンドロメダにもその様な設定はあるわけですが、そのモールドをイカに見せれば説得力があるのか。
現代には巨大な宇宙戦艦は存在しない(未来に存在したとしても、アンドロメダの様な形状にはならないでしょうけれど)ですので、参考にするのはやはり軍艦です。
昔の戦艦大和の時代であれば、ゴツゴツと無骨感の塊でしたが、今では艦船にもステルス技術が導入され、船体はカクカクのノッペリ。200年も未来の宇宙での戦闘でステルス技術が有効なのかどうかは想像すらできませんが、やはりカクカクノッペリの方向に行くだろう、ということで船体表面には設定通りのモールドと若干の陰影をグレーの明度で表現するだけとしました。
模型自体の大きさでスケール感はありますが、窓をつけるとか小さな構造物をつけるとか、まだまだやれることはあるハズ。今後の課題のひとつです。
こうした船体表面のモールドもただ黒い線を引くだけではなく、モールド周辺にハイライトを入れたり微妙なグラデーションを入れたりしてそのモールドがより自然に見えるようにしています。ここまでアップにしなければ分からない程度ではありますが。これもやりすぎるとウソっぽいし、足りないと目立たないので、どのあたりでバランスを取るのか難しいところです。このアンドロメダではモールドはちょっと薄くなっているので、次に工作するときはもう少しモールドの存在感を強くしたいと思います。
■BGM
このアンドロメダには軽快なマーチのテーマがあります。私はこの曲が大変好きで、かつてDTMブームだったころ自分でCDを耳コピしてMIDIデータとしてしまったほどです。他にもデータ化したものの、X68000のクラッシュとともに失っていたのですが、ありがたいことにこのアンドロメダのテーマは「宇宙戦艦ヤマト」ひみつ基地のどざぁるさんが発掘して下さいました(他にも完結編から「FIGHT!コスモタイガーII」も打ち込んで NiftyのMIDIフォーラムにアップしたのですが、どなたかお持ちではないでしょうか)。
ペパクラアンドロメダ完成の時にイメージした映画「さらば宇宙戦艦ヤマト」での進水式(なぜか宇宙戦艦でも進水式と呼ぶようです)では、もっと軽い感じアレンジのBGMが使われていたので、今回のMIDIとはちょっと違うのが残念ですが、雰囲気は伝わると思います。
ちなみにこのMIDIの題材とした曲も、TV「宇宙戦艦ヤマト2」の白色彗星帝国バルゼーとの艦隊決戦のシーンで使用されています。敵旗艦メダルーザの火炎直撃砲に苦しむアンドロメダをはじめとする地球艦隊が土星の輪に敵を誘い込み、火炎直撃砲を封じ込めた上で反撃に出る瞬間です。
このMIDIもブラスの表現など、いろいろと修正したいところはありますが、今はもうDTMとペパクラ両方をやる気力も時間もありませんので、今はペパクラに専念します。プレイヤーズ王国には、どざぁるさん、tabrisさんをはじめとするヤマト関連の曲もたくさんアップロードされていてファンにはタマラナいサイトです。
■今後
アンドロメダはやはり人気が強いようで、今回の完成で多くの方にコメントをいただきました(コスモタイガーの時には殆ど反応なかったのに・・・)。ワンフェスなどで販売して欲しい、などの声もいただき大変ありがたいことです。ペパクラの最大の利点は、プリンタで印刷すれば量産できること。せっかく作ったものを多くの人に楽しんでいただきたいという思いは私にもあります。
が、販売するには現状の展開図はあまりにも独りよがりで、とても人様に工作していただけるものではありません。特に船体の閉じた構造は非常に工作しにくいなど、問題点満載です。いつか何らかの形で公開できるように、展開図も少しずつ完成度を高めて行きたいと思います。
■次回作
次回作を何にするかは皆さんならずとも私自身が気になるところです。
作って見たいなぁと思うのは、
・改アンドロメダ級しゅんらん
波動砲3門のあのエグいスタイルをカッコよく立体にしてみたいですね。ただあれだけ沢山ある4連装主砲塔を工作することを考えると・・・萎えます。
・地球艦隊戦闘空母
あの主力戦艦+ミンスクのタイプです。だだっぴろい飛行甲板を1枚の紙でべろーんと貼り付けたいもんですね。
・宇宙戦艦ヤマト
そしてやっぱり本家本元はこれでしょう。アンドロメダ制作時は、次回作は絶対ヤマト!と思っていましたが、1/350ヤマトがバンダイさんから出ると知ってからは意気消沈状態。やはり同一サイズでメーカーさんのプラモと比較されてもとても太刀打ちできないですしね。
とは言え、バンダイさんの究極のヤマトの解があの1/350であるならば、私は私なりの究極の(紙)ヤマトを作ってみるのもいいかなとも。でもまぁ何をいつ作り出すかもモチベーション次第ですので、やる気がでたらガンガン進めることでしょう。
1年4ヶ月もの時間をかけて完成したこのアンドロメダ、我ながら良く出来ました。アンドロメダは美しいながらも、ペパクラにもしやすいデザインであったことが、今回の完成に結びついたと思います。制作のあいだ、皆様のご声援・アドバイスをいただき、いろいろなツールを覚えながら経験値をあげることができました。どうもありがとうございました。そして仕事の合間の趣味として、何よりも私自身がアンドロメダの建造を楽しむことができました。これからも趣味としてぼちぼち何か作っていきますが、今後も期待しすぎない程度にご期待下さいませ。
ブログ右側上部にあるアンドロメダ完成写真集にもいくつかコメントを書いています。写真とともにお楽しみ下さい。
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