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2008/05/02

ヤマトの音楽

ヤマトTV DVD-BOXを購入したのを機に、TVシリーズを全話見直してみました。

PART1劇場版のDVDは時々見ていたのですが、TV版を見るのは本当に久しぶり。TV版は旧DVD-BOXも持っていますが、まとまった時間を取るのが難しく、なかなか見る機会は無いものです。

ビーメラ星、マグネトロン・ウェーブの宇宙要塞、バラノドン、リレー衛星、そして空間磁力メッキと、劇場版ではカットされたエピソードって結構あることに気づきます。しかしこれこそがマサにオリジナルのヤマト!やはりヤマトの真髄はTV版にありますね。

とは言え、劇場版にはTV版には無い良さがあります。

それは音楽の使い方です。

シリーズを問わずヤマトの名シーンと言えば発進シーンです。さらばのそれも素晴しいですが、やはり発進シーンと言えばPART1。それもTV版ではなく劇場版です。ヤマト発進阻止のため冥王星基地から発射された超大型ミサイル、緊張のエンジンスタート、「右15度転艦!」のセリフとともに傾く第一艦橋から見える地平線(これ傾き方逆だと思うけど・・・)、統率のとれた主砲発射プロセスの小気味良さ、ミサイル破壊による大爆発後の司令長官の「ヤマトは・・・」のセリフ、そして爆煙から姿を現すヤマト・・・。この映像・セリフと、BGM「地球を飛び立つヤマト」のマッチングが完璧! 映像にあわせて作曲したのか、曲にあわせて映像を作ったのか、それとも偶然のなせる業なのか。

しかしTV版では、発進シーンの大部分はサスペンス調のBGMが流れています。これはこれで緊張感はあるのですが何かが足りない。そう、「地球を飛び立つヤマト」の劇場版では、14万8千光年の旅に飛び立つヤマトの躍動感、冒険心、希望が伝わってくるのですよ。同じシーンであっても、音楽の違いでドラマの盛り上がり方が全く変わる典型的な例だと思います。

TV版制作時よりも音楽の使われ方が洗練されているのでしょう。劇場版では、アルファ星のコロナを波動砲で撃つシーン、ガミラス本星の濃硫酸の海に潜り地下火山脈を探すシーンといった重要な所でも、TV版とは異なり「地球を飛び立つヤマト」が使われています。

私にとって最もヤマトPART1を象徴している音楽が「地球を飛び立つヤマト」であり、ヤマトにおける音楽の重要性を感じる曲であるのです。


ヤマトにとってこれほど重要な音楽が私の人生に与えた影響は大きく、カラオケで歌ったり、市販CDのほとんどを所有しているのはもちろんのこと、なんとかその音楽を自分で再現したく、Desktop Music全盛のころにはCDを耳コピしてコンピュータミュージックとして打ち込んだものです。

当時、パソコン通信Nifty Serveの MIDIフォーラムに私がアップロードした作品は全部で3つ。ペパクラアンドロメダ完成時の記事でも紹介した「アンドロメダ」の他に、「元祖ヤマトのテーマ」と、「FIGHT!コスモタイガーII」があります。

「元祖ヤマトのテーマ」は、その名の通りシリーズ全編を通して、ここぞ!というシーンで必ず流れる、「地球を飛び立つヤマト」に並んで私が最も好きな曲のひとつです。MIDIデータとして打ち込んだ当時は、CDとして音源が発売されておらず、LD-BOXのボーナストラックに収録されていたものをMDに録音して繰り返し聴いていました。原曲はモノラルであり、モノラルであることがPART1特有の雰囲気を出しています。私のデータではあえてステレオとしたのですが、やはりモノラルのままにしておくのが良かったのかもしれません。またイントロのギターももっとエフェクトをかけていたつもりだったのですが、今MIDI音源(SC-88Pro)で再生するとそうでもない。修正したいですが、SC-88Proの使い方をすっかり忘れてしまった今ではそれも難しく・・・。合いの手のブラスは派手にやりました。

「FIGHT!コスモタイガーII」は私が初めてMIDIフォーラムにアップロードした曲です。コスモタイガーのテーマとしては、新たなる旅立ちで「新コスモタイガー」と言う爽快感あふれる曲が発表されました。ヤマトよ永遠にの中間補給基地のシーンでは素晴しいシーンを演出し、その後のヤマトIIIでも多用されたのですが、なにぶんアップテンポな曲なので、コスモタイガーが登場するシーンは全て能天気な感じになってしまった印象がありました。続く完結編でこの曲が発表され、都市衛星ウルクでのあの緊張感ある攻防戦が生まれたのです。もしそのシーンの音楽が「新コスモタイガー」だったら・・・。

「アンドロメダ」は今聴くと、ブラスがトガリ過ぎですね。少し抑え目に変更したいけれど、それも今はもう・・・。でもストリングスのパートは結構気にいってます。ベースやドラムロールを再現するのが楽しかったような。エフェクタの無いSC-55でしたので、ギターのエフェクタっぽい表現は大変でした。模型を作ったり音楽を打ち込んだりと、私のアンドロメダ好きもよっぽどですね。

データを打ち込むのはそれはそれは大変な作業でした。楽譜は無く、あるのはCDやMDだけ。そもそも私には大した音楽の知識も経験も無いので(経験は、小中学校の音楽の授業と、大学サークルの合唱部だけ。)、CDをPCでサンプリングし、再生速度を変更したりエフェクトをかけたりあらゆる手段を使って、鳴っている音の1音1音を、音程、音の立ち上がりの速さ、音量、音量の変化、音色、音色の変化、音の長さ、歯切れ良さ、などといった尺度から聴き取り、数値データとして打ち込んでいく・・・。もちろん1音1音だけではなく、各楽器間での音量・音色のバランスや曲全体でのメリハリ、テンポの変化、ちょっと走り気味にしたりタメを作ったり。曲の表情付けで一番重要なのは、音量でも音色でもなくゲートタイム(音符の長さの中でどれだけの時間発音するか。平たく言えばテヌートなのかスタッカートなのか)だ!、なーんて感じながらやってました。そこには理論も何もなく、ただ私が聴こえた通りに打ち込むだけ!というチカラワザでした。楽しかったけど、今考えると良くもまぁこんなことやっていたもんです。

ということで、「アンドロメダ」「元祖ヤマトのテーマ」は、当時のデータそのまんま現在音楽配信サイトMy Musicへアップロードしてありますので、お暇な方はぜひお聴き下さい(今はソフトをインストールしなくてもブラウザだけで聞けるようです)。音楽をやっている人の作品とはとても比べられない、素人丸出しの自己満足のものでしかありませんが。「FIGHT!コスモタイガーII」は当時の愛機X68000XVIが壊れて以来データを永遠に失ってしまったので、今となっては聴くことができないのが残念です(誰か当時のデータ持っている人がいたら送って~)。



「新コスモタイガー」、「デスラーズパレス」、「第18機甲師団」、「自動惑星ゴルバ」、「二重銀河」、「新銀河誕生」、「立ち上がれ!!ヤマト」、「巨大戦艦グロデーズ」、「出撃と進撃」 、「超巨大戦艦ガルンボルスト」、などなど iPodに溜め込んだヤマトの曲を聴くたびに打ち込みたいなぁと感じますが、サスガに今はそれをやるだけの根気も時間もありません。打ち込みマシンのX68000も既に無いですし。

でもいつか、渾身の1曲の「地球を飛び立つヤマト」やりたいものです。でも今1曲だけやるなら「超巨大戦艦ガルンボルスト」かな。

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